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ニュース「新卒一括採用」って曲がり角? 「大学卒者の就職率60%」というデータの裏にあるもの

文部科学省より大学卒者の進路について、ショッキングなデータが公表されました。一時持ち直していた就職率(2008年度69.9%)は再び減少傾向があらわとなり、2010年度は前年度より7.6ポイント低下して60.8%となっています(※2010年度の数字は速報値)。

文部科学省「2010年学校基本調査(速報)」

  • 調査期日:2010年5月1日現在
  • 調査対象:幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、 大学、短期大学、高等専門学校、専修学校および各種学校ならびに市町村 教育委員会
  • http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/08/1296402.htm

■就職率は60.8%、前年度より7.6ポイント低下

2010年3月の大学(学部)卒業者数は54万1000人で、前年度より1万8000人減少しました。この卒業者たちの進路について、以下のような状況が見られます。

・就職者総数は、32万9000人で、就職率は60.8%(前年度より7.6ポイント低下)と、過去最低だった2003年の55.1%に迫る勢い

「一時的な仕事に就いた者」(注)は1万9000人(前年度より6000人増加)で、卒業者に占める比率は3.6%(前年度より1.3ポイント上昇)

・大学院等(大学院研究科、大学学部、短期大学本科、大学・短期大学の専攻科、別科)への進学者数は7万3000人で、進学率は13.4%(前年度より1.2ポイント上昇)

「卒業者数のうち進学も就職もしていない者」(注)は8万7000人(前年度より1万9000人増加)で、卒業者に占める比率は16.1%(前年度より4.0ポイント上昇)

[注]「一時的な仕事に就いた者」:臨時的な収入を得ることを目的とする仕事に就いた者(アルバイト、パート等)。
「卒業者のうち進学も就職もしていない者 」:家事の手伝い等、大学院等への進学や就職でもなく進路が未定であることが明らかな者。

大学卒業者の就職率は約6割

つまり、卒業者の数自体が前年度から2万人近く減少しているにもかかわらず、進学も就職(アルバイト、パート等も含む)もしていない人の数は2万人近く増加しているわけです。

確かに、ここ数年、新卒採用市場の「買い手市場化」が叫ばれています。
企業に就職するに当たっての門戸が、氷河期世代をしのぐほどに狭まってきている、という意見も耳にします。

雇用市場が緊縮化を続け、ふたたび「採用氷河期」に?

なお、同調査で就職率が過去最低(55.1%) となったのも、「進学も就職もしていない者の比率」が過去最高(25.5%)となったのも2003年度のことでした。

この前後に続いていた採用件数の引き締め(いわゆる「就職氷河期」ですね)は、多くの企業で人材の年齢構成のゆがみをもたらし、“中堅社員層がマネジメント経験をもたないまま管理職適齢期を迎えつつ”あるなど、現在のショクバをめぐるさまざまな問題の発生原因となっています

大学院等への進学率が上昇しているのも、就職活動の失敗や回避のために大学に残る——といったケースが増えている結果なのではないか、と考えられます。
(もちろん、大学院進学についても、大学教員等のポストは決して多くありませんし、いわゆる“ポスドク”の就職難、高学歴ワーキングプア化などが社会問題化しているなど、その後のキャリアは楽なものではありません)

こういった状況を受け、脳科学者の茂木健一郎氏が、日本企業の慣行である新卒一括採用の弊害について意見をtwitter上で述べるなど、これから議論が活発化していくかもしれません。

日本の企業社会の風習、新卒一括採用は、今後どこへ向かうのか?

■一方で大学中退者も、大学生の8人に1人に

以上は「卒業者」についての状況ですが、一方でNPO法人NEWVERYが発行する「中退白書2010」(制作:日本中退予防研究所、監修:ピースマインド総合研究所)では、大学生の8人に1人が大学を中退している——という試算をしています。
http://www.stoptheneet.jp/hakusyo

現在の「新卒一括採用」の慣行に沿った採用市場では、大学中退者の置かれる立場は、卒業者に比べて圧倒的に厳しいといえます。

さまざまな面から、制度疲労も目立ち始めた新卒一括採用。
この慣行の是非と必要性を考え直してみることは、「採用」という企業活動の一部分だけではなく、今後の日本企業の在り方全体を再考するきっかけになるのではないでしょうか。

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コメント

  1. 尾澤 尋史 より:

    「一括採用」の良し悪しはあるが、あるべき姿から大きく乖離しているのは、「就活」時期の早期化ではないだろうか。 四大で3年の後期、短大専門では1年の後期…実際は入学してからすぐに「就職」を意識しなければ行けない状況かもしれないが。青田刈りどころか早苗刈りの態をなしているように思える。このような状況下で選考される学生にとっては多難なこと。教員から言われることで興味深いのは、『大体の四年生は春先までは「パッと」しないが「卒研」「卒論」を」経て大きく伸びる例はたくさんある。社会はそういう状態の学生を選考して欲しい』『採用活動の早期化により大学の教育関係なく採用している企業は大学での教育を軽視しているように思える。』ということである。就職環境の変化はあるが、社会に必要とされる人材教育が蔑ろになるような側面が「一括採用」の評価を左右しているのではないだろうか。 ちなみに私見は、「入社は年度半年後の9月にして学校卒業後半年で就職を決める」こととし「在学中」の就活は禁止!を考えていますが、さてどうなるか?。

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